五感で走った北海道(その3)

自宅を出発し2日目で北海道に着いた。函館市内でも見学したいところだが、午後3時30分を過ぎているので、まず今日のキャンプ地に落ち着くことが先決だ。そこでキャンプ地を北海道でも人気の高い「東大沼キャンプ場」に決めた。函館からは約35キロメートル、約1時間で着くだろう。まず、函館市内で今夜の食料を調達する。今回もキャンプでの食事はスーパーやコンビニの惣菜や弁当にする。以前は簡単な調理をしたこともあったが、調理する時間より走る時間を長く取りたいことと、荷物をより少なくしたいことから携帯コンロやコッヘルなどは持ってこない。早くキャンプ場に着いた時にも調理のことは考えずに済む。その時間を周囲を散策に向けて、その土地土地の生活感を感じることが楽しみになっている。見知らぬ町のスーパーで、今日の特売品は‥などと物色しているとその町の住人になったような気分になる。その日もイオングループのスーパーで「石臼挽き冷しとろろそば」「一口いなり寿司」「温泉たまご」「小岩井純粋ぶどうジュース」を買うのであった。
 国道5号沿線のスーパーで夕食を調達する(グーグルのストリートビューから)

さて、函館から大沼公園までの道路は自動車専用道路が整備されている。しかし原付は通行できないので並行している幹線を走る。ほとんどの車が無料の自動車専用道路を通るため幹線の方は車が少なく、まっすぐな道をのんびりした気分でしばらく走った。また、その幹線は遠くに函館市街を見下ろす位置にあるため、北海道を走っているという実感が出てきた。道路沿いの木立が密集してきた頃に大沼公園の道路標識も見えてきた。国道5号を右折すると木立の間から傾きかけた日の光を反射ている湖面が見えた。その向こうには駒ヶ岳の勇姿も見える。
 大沼公園を周回する道路 (翌朝の朝に撮影)


東大沼キャンプ場の入口 (グーグルのストリートビューから)
 細長い湖に沿った道路を約10キロメートル進むと今日のキャンプ地の東大沼野営場が現れた。湖畔のキャンプ場は、幹周りが熟年おばさんのウエストぐらい?の樹木が適度に繁って居心地が良さそうなところであった。見渡すとテントが10張りぐらい、日の入り前の淡い黄金色の光が、木立の地面をまだら模様にしている。
テントを張り終えて荷物を収めるまでの20分間に光の濃さも増し、向こうの山に日が沈もうとしている。水場とトイレの場所を確かめ、駐車場の片隅に置いたカブにフライシートを被せる。能代市から大沼まで196キロメートル走行したカブに労いの言葉をかけたくなる。
駐車場には60代後半と思しき夫婦がワゴン車をキャンピングカーに仕立て、側に置いた折りたたみテーブルで夕食の準備をしている。そこに同じようなワゴン車から男が歩いてきて話しかける。男は70代ぐらい半分白髪の長髪を後ろで束ね、ひげを伸ばした様相は旅慣れた感じがする。そこでの会話、女性「今回初めて1週間の旅行をしたが、ゴミが溜まってねー、車にいっぱい詰まっている、まるでゴミを運んでいるようだ」旅慣れた男は「ギュッと潰して、コンビニのゴミ箱に置いてくると良いのに。缶ジュースでも買って‥俺はいつもそうやっている」居心地が良いのだろう、駐車場には連泊するキャンピングカーもあるようだ。そこで同じような旅行者同士が知り合いになるのだろう。
日も落ちてキュンプ場内が陰り始めた頃、私のテントから十数メートル離れたところに50代ぐらいの男性が四畳半ぐらいのハウス型テントを組み立て始めた。1人だけだが家族が後でくるのだろうか。折りたたみ椅子とテーブルもセットし終わって、辺りは薄暗くなったがまだ1人、椅子にくつろいでいる。翌朝、彼は1人でテントをたたんで去って行った。キャンプ用具の試用だったのか、1人で至福のときを過ごしに来たのか、旅行中の様子ではなかった。
また、それとは逆方向の十数メートル離れたところには一回り大きい柄模様のテントが張ってある。ここは中国語を話す男女が2、3人出入りしていた。夜中に大きなイビキが聞こえたテントだ。


日の入り前の淡い黄金色の光が、木立の地面をまだら模様にしている
さて、最後まで明るかった湖面も暗くなったころ、テントに入ってLEDライトの下で夕食を食べる。テントの中での食事は美味しい。それはテントという凝縮された空間に合わせて食事の味も凝縮するのかもしれない。食事の後、目をしばたたかせながらパソコンに今日のブログを打つ。21時過ぎ寝袋に入り、明日のコースなどを考えながら眠りについた。この続きは(その4)で‥

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